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裸のランチ (1991) NAKED LUNCH 353本目

筋書なし映画 裸のランチ (NAKED LUNCH)

出演:
ビル・リー役 ピーター・ウェラー
ジョーン・フロスト/ジョーン・リー役 ジュディ・デイヴィス
トム・フロスト役 イアン・ホルム

監督:
デヴィッド・クローネンバーグ
お勧め度★★☆☆☆

昔のロボコップシリーズを見ていた時、シリーズ3弾目で主役のピーター・ウェラーがいつの間にかいなくなっていた!と書きましたが(レビューはこちら)、実は彼、この「裸のランチ」に出演するためにロボコップを辞退したという。
そう言われてずっと気になっていた映画。
やっと見ることができました!

小説家志望でありながら、害虫駆除の仕事をしているウィリアム。
ある日、事故で妻を殺してしまった彼は警察から追われる身に。
その時「インターゾーン」なる世界の存在を知ってしまい・・・。

期待して観てましたよ。
それなのに・・・。

なんなのこれ?

本当に意味がわかりません。
そして、おそらくそれが正しいのだと思います。
一見すると物語に筋があるように見えるのだけれど、よく考えると本当に「何それ?」という事ばっかりで、どうにも説明できない。
筋なしです、山なしです、もちろん、オチもありません。

この映画はウィリアム・バロウズの書いた小説"Naked Lunch"が原作になっていますが、原作も相当ツワモノらしく。

ただ、映画は小説をそのまま映像化したのではなく、どちらかというと、バロウズの自伝的な映画に作成しなおされているらしいです。
まあ、そりゃそうだ。
この小説はたぶん映画よりかなり意味のわからないものだろうから。
そして、このバロウズという作家。
彼の人生が本当に映画のようです。
ニューウェーブSFというこれまたよくわからないジャンルの輝く星とかいわれたとか。
実際に映画同様にウィリアムテルごっこで妻を射殺したり、同性愛者だとかいう噂があったり、薬中だったりと映画とリンクしている部分が大きくあります。

でも映画全体としては全く意味のわからない映画。
そもそも「裸のランチ」ってなんだよ!って話。
"The title means exactly what the words say: naked lunch, a frozen moment when everyone sees what is on the end of every fork."というバロウズの説明がありますが、全然的を得てないし
物を食べる瞬間に「あれ?私、何を食べようとしてんの?」って瞬間なんてあるのか?
まあ、そういう瞬間があるとしても、それとこの映画はどんな関連性があるのだろう。
むしろ、何を食べようとしているかわかっていない人達の映画って感じです。

そして、インターゾーンってなんだよ!って話。
トワイライトゾーン的な?
でも、どうやらそこは中東とかインドのようだし、普通に友達も会いにきてくれているし。
ただ、もちろん辻褄の合わない世界ではある。

そしてクラーク・ノバってなんだよ!って話。
どうやらビルは麻薬のせいで幻覚を見るようになっているらしいのだけれど、そもそも彼は昔麻薬をやっていたけど、結婚してからはクリーンな生活を送っているといっていた。
まあ、これがウソって可能性もあるけれど、そこから急にディープな幻覚の世界に落ち込んでしまうあたりもなんか不思議。

そういう疑問には全くもって答えを出さないこの映画。
かといってあれこれ考えさせる映画でもない。
どちらかというと、感覚で見る映画だろう。

とにかくキモイ、グロイものが沢山出て来るので、虫嫌い、グロ嫌いの人は要注意!です。

映画の冒頭でも登場するがフランツ・カフカの「変身」に影響をうけているのかもしれない。
あの小説も「なぜ?」っていう読者の疑問には全く答えをださないから、似ているのかも。
ただ、小説だと、有無を言わせない納得感があるからいいけど、映像だとそうはいかない。
この映画の私の好きな所は、偶然隣にすわったイケメンゲイに会わせたい人がいる、とか言われたり、知らない人からチケットもらったり、知らない土地で人と人が繋がっていっていろんな出来事が起こる「偶然の出来事」みたいなのが謎解きっぽくて好き。
少なくともこの映画には少しづつ確信に近づいているような雰囲気があって、興味深く見た。
ビルが所々で「それってどういう意味?」「それって何?」と私たちの疑問を代弁してくれるようなシーンがある。
でも、最終的にどこにも着地しないという不思議な映画。

この映画、面白かった!という人がいたら、どのあたりが良かったか、教えてくださいな。
一生に一回くらいはこういう不思議な映画を体験するのもいいかも?!
とても見る人を選ぶ映画だと思います。


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