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白ゆき姫殺人事件 (2014) 413本目

美しい人はやっぱり性格が悪い?! 白ゆき姫殺人事件

出演:
城野美姫役 井上真央
赤星雄治役 綾野剛
狩野里沙子役 蓮佛美沙子
三木典子役 菜々緒
篠山聡史役 金子ノブアキ


監督:中村義洋
お勧め度★★★☆☆

私、読書も好きです。
こちらの原作本も読みました。
でも大抵の場合、「原作の方がよかったなぁ」とか、「原作を越えなかった」という感想が多くて、自分が読んだ原作の中で映画が原作を越えた!っていうのは思い出せない。
でも、なんと!こちらは違いました
ストーリーとしては同じなので、どちらも面白いのだけど、「見せ方」という点で映画が勝利!

長野県のしぐれ谷で女性の焼死体が発見された。
その女性の名前は三木典子。
後輩の狩野里沙子がテレビ局で働く契約ディレクター赤星のその事件について話したことから、赤星は事件の関係者を取材し、その内容をツイッターでつぶやいて注目を浴びるようになる。
そしてこの事件の犯人といわれた城野。
この事件の真相とは?!

「名前に姫ってついている人ほどブス」という都市伝説がある(らしい)けれど、確かにそんな名前をつけられた子供はどこかしらで心を傷つけられたことがあるだろう。
だからこそキラキラネームってある意味親からのいじめだ。
でも、その名前でのし上がるのもまた、その子供の力量。
本当に名前って難しい

姫という名前がつきながら地味な人生をおくる城野美姫を演じる井上真央。
彼女、可愛いのに時々ものすごくイモもっぽい。
それがこのキャラにぴったり!

そして絶世の美女、三木典子役の菜々緒。
冒頭で里沙子が「美人だから性格が悪いっていうよな類の美人ではない」と言っていたから、小説を読んだ時には本当に三木典子は普通に素敵女子なんだと思ってたよ。
それほど小説では三木典子のダークな部分は掘り下げられてません。
でも映画で見ると、菜々緒のいろんな表情がとにかく意地悪で、「やっぱりか!」と思っちゃった。

まず、原作と映画の設定の大きな違いは
①赤星が雑誌記者ではなくテレビのディレクター 
②それゆえに媒体は雑誌ではなくテレビ番組

そしてこの違いが映画としてもの凄い良い結果をもたらしている!!

この原作の湊かなえの小説はかなり実験的な作りになっていて、
最初はすべて赤星がとったインタビューが並べられている。
その後にツイッター、そして雑誌の記事というように並んでいるので、冒頭から読むとネタバレしてから資料を見返す仕様になっていて、せっかくのツイッターや雑誌がうまい事生きてない。
それに比べて映画は、インタビューとツイッター、テレビ番組が交互に登場するので、分かりやすい上にこの小説の根底になっている「みんな嘘つき」って感じがすごく出てる。
嘘つきというか、人は立場によって感じ方が全然ちがうんだなぁって。
楽しい妄想にふけってニヤリとしているとことが、憎悪に燃えてほくそ笑んでいると勘違いされていたり。
自分が知らないうちに人を傷つけていた時のように、相手の思っていることが全然違ったりする。

そしてこのテレビ番組が「カベミミ」とかいう番組
朝ズバとミヤネ屋を足したような番組で、わざとらしさがなかなか面白くて私は好き。

残念なところといえば、城野の人となりを凄く表しているはずの大学時代のエピソードがかなり省かれているところ。

でも、映画では小説であまり語られていなかった三木典子の本性や、殺人の動機などがむしろ分かりやすくなっていた!
小説では三木典子を焼いたのはガソリンという事になっていて、それが城野の車にあったり、車のキーが刺さったままになっているなどの理由がちょっと偶然が多すぎるなぁと思っていましたが、映画ではそのあたりが自然であり、必然的に起こった出来事
に変えられていました。

そういう意味で今回は映画の方がよかったなぁ。

これは小説でも映画でも思ったことなのだけれど、城野の友人のダイアナ(夕子)。
彼女、引きこもりで自分のことを「俺」と言っている。
乱暴な話し方も含めてこれ、なんだろう?
こんな人いる?
急にここだけ、リアリティなくなっちゃうんだよね。
無理にキャラを作っているような感じで。
引きこもりってこんなに自己主張してないと思うけど。
ただ、ここはダイアナ(夕子)が城野に抱いている特別な気持ちってことなのかもしれないけれど、これいるかね?

そして、小説でも映画でも同時に思うのが、ちょっと殺人の動機にしては弱いなぁってこと。
そのぐらいでめった刺しにして焼き殺すってすごいよ。
殺人事件があった後の城野の行動もあまり納得感がなく。
これはこの小説のストーリーだからしょうがないけど。

それでも全体として小説にくらべると格段に分かりやすく面白くなっていると感じました!
(いや、小説も読んだ時は面白かったんだけどね…)

この映画はマスコミのいい加減さやSNSの危険性というか、もしからしたら、湊かなえが実際に自分のことを知らない他人にいろいろ書かれることを体験して感じたことがベースになっているのかもね。
有名人って大変ね。

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
謎解きとかは特にないです。
でも、面白い!

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殿、利息でござる(2016) 406本目

至極まじめな映画です!殿、利息でござる

出演:
穀田屋十三郎役 阿部サダヲ
菅原屋篤平治役 瑛太
浅野屋甚内役 妻夫木聡
先代・浅野屋甚内役 山崎努
とき役 竹内結子
遠藤幾右衛門役 寺脇康文
千坂仲内役 千葉雄大

監督:
中村義洋
お勧め度★★★★☆

私は歴史が苦手で、昔はあんまり興味がなかったんだけれど、年をとったせいか、最近はやたらに昔のことが気になったりします。
昔の人がどういう暮らしをしていたか、とか、昔の道具とかに魅かれたりして…
この興味が学生時代にあったら、もっと歴史を勉強したんだろうに…。
時代劇もあまり見ていなかったのですが、最近は抵抗なく見ます。
特にやたらと美味しそうにお酒とつまみを食べるシーンが多くて、どんなに美味しいものを食べているのか気になる…。
まあ、たぶん、質素なもんなんだろうけど。
さて、そういう時代のお話。

1766年(明和3年)仙台藩の宿場町吉岡宿では「伝馬役」という宿場町間の輸送を行う役目が課されており、
藩の直轄ではない吉岡宿は助成金もなく、その負担で町が困窮していた。
なんとかしようと策を練り、藩へ金貸しをし、その利息を伝馬役の費用にあてようという前代未聞の大作戦を行うことに!!

この映画のすごいところは、実話ってところです。
もちろん100%ではないんだろうけれど、町中でお金を集めて藩に貸付し、利息によって町を困窮から救ったという話は実話みたい。
すごいことを考える人がいるもんだねぇ。
しかも、それを9年ちかくかかって実行にうつしている。
よくその間に町が潰れなかったと思うけど、とにかく、現在の3億円にあたる千両を一生懸命集めるお話です。
その中にはいろんな人間の思惑があるんだけれど、全体を通して思うのが、

日本人っていい人ね

そういう感想。
ただ、実際にはお金を出した人と出さなかった人の間でのイザコザや、その後自分のした事を自慢したりする人がでないように、
お金を出した人は決してその事を人に話さないという約束等があったらしい。
そこも含めて日本人らしいなぁと。
そんな人間が東北にいたことが誇らしいです。

また、この浅野屋の先代が子供たちに教えていた「冥加訓」という江戸時代の儒学者関一楽の教えもまたすばらしい。
人間が人間であるべき姿を教えている。

「人が人を苦しめてはいけない」

映画では淡々と9年の歩みが描かれているけれど、もちろん、その間にも町は大変な苦労があったんだろう。
途中、

え!また1年経っちゃったの?!

と驚かされますが
しかも、最後の最後で無理難題を押し付けられたりとドラマ性たっぷり!

阿部サダヲ主演でこの映画の表紙を見た人達に言わせれば、

おもしろおかしいコメディーだと思ってみたら、かなり騙された!

という意見もあるとか。
確かに、決して重たい演出はないけれど、とても感動的なまじめなお話です。
しかも、今までここまですごい話がなかなか知られていなかった(実際「人に話すな」といわれていたから仕方がないけれど)というのもなんだか不思議。
本当にたくさんの日本人に見て欲しい名作です!

さて、この映画の原作は「武士の家計簿」などで知られる歴史学者磯田道史の「無私の日本人」の中の「穀田屋十三郎」に描かれていて、もともとは吉岡宿の窮地を救った町人達の記録「国恩記」を元にしている。
「武士の家計簿」の映画を見た人から「自分の地元にも涙なしで語れない話がある」と紹介され「国恩記」を調べたことから始まっている。
そして出版した「無私の日本人」はどんどんと人づてに伝わり、最終的には監督の奥様までいったとか。
そんな運命を経て映画化されました。

役者人も豪華でとても安定した映画。
大肝煎役の千葉雄大がずいぶん若いなぁと思ったけれど、年齢に関わらず生まれた身分に寄るっていう江戸時代を象徴しているような気がして、そこもなかなかです。

また、お殿様役の羽生結弦もなんだかとてもぴったりでした。
当日までキャストに明かされなかったサプライズキャスティングっていうのも、いいね!

さて、実話ということで、映画に出てきたそれぞれのモデルになった場所を探してみると、まず、酒屋だった浅野屋ですが、今は分家の浅多屋が伊達藩主が命名した3酒のうち、「春風」と「露夜」は現在も販売しているようです!
ホームページはこちら

そして穀田屋さんはというと、今もちゃんと営業している酒屋さんで、宮城の地酒を販売しています。
なんだかすごいね。
映画にでていたあの人の子孫がいらっしゃるんですよ!

では菅原屋さんはというと、映画の最後で菅原屋のお茶が有名になったという話しがあるのですが、子孫の方はまだ吉岡宿の近くにいらっしゃるようですが、お茶屋に関する情報は調べられませんでした。
宮城県に「菅原園」という似た名前のお茶屋があるのですが、創業が1855年ということでしたので、これは違うのかなぁ?

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
映画の表紙をみてとんでもないおふざけ映画だと思った人!
そういう人にこそ、絶対見て欲しい。
いい意味で裏切られます!
この映画を見て吉岡宿を訪ねるという旅もなかなか良さそうです!


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残穢 (2016) 373本目

怪しい家からはさっさと引っ越そう!残穢 

出演:
私役 竹内結子
久保さん役 橋本愛
「私」の夫役 滝藤賢一
平岡芳明役 佐々木蔵之介
三澤徹夫役 坂口健太郎

監督:
中村義洋
お勧め度★★★☆☆

私もティーンの頃はラノベを読んでいました。
結構はまったなぁ。
そして当時ものすごく好きだったのが、小野不由美先生の「ゴーストハントシリーズ」。
もちろん全巻持ってたし、何度も読み返したし、1人アフレコしたし、ファンレターもたぶん出した。
周りの友達に布教活動までしたりして。
ゴーストハントシリーズは始めから構想がキチンと決まっていたらしく、大好きだったキャラ達も予定通りに最終回にサヨナラとなり、結局追加で1巻だけ出ただけで、それ以降続編は書かれていない。
本当に残念。
追加の1巻は三人称で書かれているので、シリーズが持っていたラノベの軽さやツッコミ節がなくてがっかりだったし。
それ以降、小野不由美先生は「十二国記」や他のホラー小説などで知られていくことになりますが、やっぱり私はこの最初のゴーストハントシリーズが最高に面白かったと思う。
彼らのハチャメチャな事件解決にまた立ち合いたい。
まだまだ掘り下げて書けることが沢山あると思うんだけどね。
叶わぬ夢だと思うけど。
その小野不由美先生が書いた小説がついに映画化!

読者からの実体験を元に「怖い話」を書いている作家の私。
ある時「岡谷マンション」の202号室に住む久保さんから、「部屋の中で音がする」と投稿が来た。
なにか引っ掛かりを覚えた私。
久保さんと共にいろいろと調べていくと、その場所にまつわるいろいろな謎が解けてきて・・・・。

前評判で「かなり怖い」と聞いていたから、ビビリながら見てました。
でも、映画の全体の感想としては、

それほど怖くない

小野不由美先生のホラーは、確かに描写とか怖いんだけれど、私が好きだった理由としては、サスペンスのようにその怪異の原因を突き止めていくっていところ。
そして突き詰めていく過程において、衝撃の真実が明らかになっていく「恐怖」がある。
まさにこの作品はそういう映画。
例えば自殺者や殺人事件が起こったというような、明らかな「いわくつき」物件ではなかったこのマンションになぜこの現象が起こるのか?
その謎をひとつひとつ過去に辿って解明していくといういってみればミステリーのような要素が豊富に盛り込まれている。
それが面白いんだけれど、脅かしやグロとか、そういうものを期待している人にとっては全然怖くない。
その手の映画ならここで脅かしの1つでも起こるんだけれど、結構そういうのは起こらない。
それより見逃しそうなところで、気が付いた人だけ背筋が凍るような演出をしている。

ただ、残念なのは、ちょっとテンポが遅いこと。
思わせぶりな登場人物が多くて、その人達がみんなタメてしゃべるから、そこがそのうち面倒くさい感じになる。
思わせぶりな演出も豊富にあって、それもだんだん面倒になってくる。
もっとサクサクしてたら、引き込まれ感も違ったかも。

そして結末は、まあ、これしかないんだろうけれど、見た側に丸投げ感たっぷり。
ホラー映画にはよくありがちだけれど、関係ない人がとばっちり受けたりするのも私としては納得いかなかった。
この作品はそれがそもそものテーマなのかもしれないけれど、ちょっと残念。
なぜならゴーストハントシリーズではかなりスッキリ怪異を解決してくれているので、そういうのを期待してた。
まあ、原作が違うので、それは私の勝手な期待だけどね
そしてこの結末が「観ると後悔しますよ」っていう竹内結子の名言に繋がるんだろう。
にしても、映画全体、そこかしこに「リング」を彷彿させる内容になっているので、特別に新し感じもなく、本当に原作の良さを映像で表現できてたのかなぁ?と思う。
原作読んでないんだけどね

もう1つホラー映画でのお約束、暗い時に怪しい場所に行くというシーン。
これ、この映画でもあります

なぜ夜に行く??!!昼間に行け!

結論としては、三流ホラー的なことは起こらないのでよしとするけど、このシチュエーションですでに萎えてしまう。
現実的じゃない。
ただ、考えられる可能性として、二つある。

「昼間行くより、夜の方が面白そうだから行こうぜ!」っていうケース

「不法侵入になるから、人目に付きにくい夜に行きましょう」っていうケース。
どちらでも理由づけになるけれど、結局映画では説明がないので、「またか!」「なぜ夜に行く?!」と突っ込みたくなっちゃう。
どんな理由でもいいけど(到着したのがたまたま夜だった、だとしても)、それを入れるか入れないかでリアル感が出ると思うんだけどなぁ。

主演の竹内結子。
わたし、この人、私生活はきっとイケてないんだろうなぁ、とずっと思ってた。
普段のしゃべり方がネクラでオタクっぽい。
だから、今回のキャラははまり過ぎていてびっくりした。
みんな彼女のこの演技が凄い!っていうけれど、むしろこれが本当の彼女の姿なんじゃないかと思う。
(ファンの皆様、すみません。いや、そういうところがむしろ好きなんです

それ以外のキャストは特に特別に有名な人を起用しない(主要キャラの蔵之介などを除く)ことで、ドキュメンタリーっぽい感じを出しているのもいい。
ちょっと不自然な人もいるけれど、それが逆に怖い。

ところでこの舞台となったマンション。
明らかに場所がわかるようなマンションが二つ登場するんだけれど、まあ、どこにでもあるようなマンションを選んだんだろうね。
もちろん実在します(あ、怪異は実在しませんよ!もちろん)
久保さんが住んでいたマンションは埼玉県深谷市の「シティホームズ上柴」で、前の住人が引っ越していったアパートは同じく深谷市の「スカイハイネス」だとか。
最初、映画でもこんなロケ地に使われるなんてやだなぁと思ったけれど、よく考えると、まあ単なる映画だし。
むしろ自慢だ!羨ましい!と思った。

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
ホラーというよりサスペンス目線で見る方が楽しめると思う作品!


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Author:ロココ
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基本はネタバレなし!ゆっくりしていってくださいね。
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