アメリカン・スナイパー (2014) AMERICAN SNIPER 113本目

戦争の意味を知る映画 アメリカン・スナイパー (AMERICAN SNIPER)
(日本公開は2015年)
American_Sniper_poster.jpg

出演:
クリス・カイル役 ブラッドリー・クーパー
タヤ・カイル役 シエナ・ミラー

監督:
クリント・イーストウッド
お勧め度 ★★★★☆

アメリカでは道端でお金を無心する輩を沢山見かけます
中には五体満足、若くて健康そうな若者が"Everthing was stolen"なんてもっともらしいことを書いた段ボール紙を持って絶望的な演技をしながら一台毎に車に近づいてくる。
私も最初は「可哀想だなぁ」なんて思って目をそらしていたけど、よく考えたら外国人でもなく、家族もどこかにいるだろうアメリカ人で、健康なのに仕事をしないってなんでだろう?と気が付いてから車の中から(あくまで車の中から)ガン見するようになりました。
「あなた、なにやっているの?」
ってな感じで
でも、中には本当に深刻な人もいます。
特にホームレスの中に多いのがベテランと呼ばれる退役軍人の人達。
実は、軍人を職業として生涯を終えれる人は本当に一握りの人だけ。
早い人では20代でベテランになってしまう人もいます。
そういう人は改めて学校へ行ったりして軍人とは全く関係のない仕事(私の知り合いは不動産会社で働いています)をすることになるのです。
もちろん国はベテランのためにいろいろな制度を作っているんだけれど、いろいろな理由で人生の再スタートが切れない人も沢山いる。
そういう人を見ると、軍人になるということはいったいどういうことなんだろう?と疑問を抱かずにいられない。
誰も幸せにならないこの状況。
そういう映画。

テキサス州生まれのクリス・カイル。
1998年にアメリカ大使館爆破事件を目の当たりにしてから、軍人になることを決意。
イラクでスナイパーとして大きな功績を上げたカイルは伝説のスナイパーと呼ばれるようになった。
カイルの生い立ち、軍人としての功績、そしてエディー・レイ・ルースに殺害されるまでの38年間を描く。

2015年2月24日にルース被告には終身刑(sentenced to life in prison)の判決が下されました。
これで彼の物語は本当の意味で終わったように思うけれど、この映画を見ているととてもモヤモヤします。
戦争だから、どんどん人が殺されていく。
4回に渡るイラク派遣の状況がこの映画の大半を占めています。
もちろんクリスはアメリカのために自分と家族を犠牲にして仕事をしているんだけれど、すぐ目の前で仲間が殺されていくのを目の当たりにして、敵に対して憎しみが倍増する。
でも逆にクリスに殺された敵側は彼に対して憎しみを倍増させる。
とにかく負のサークルからいつまでも脱出できないのです。
私は戦争のシーンでとにかく涙が止まらなかったよ。

なぜこんなことをしなければならないの?

本当にこの一言に尽きる。
この映画をみて愛国心が湧いたというバカな人間がいるというから呆れたものです。
クリスが味わった戦争の本当の意味がわかれば、戦争するということがどれだけ愚かなものかわかるはず。
その辺りがイーストウッド節が効いてるな、と思う。
彼はイラク戦争に対して一貫して反対の立場を取っているというから、この映画でクリスを大げさに英雄として奉るような演出はしていません。
彼が戦地で病んでいく姿、戦争を体験した多くの人が蝕まれる黒い闇の姿を捉えていると思う。

アメリカでは戦争から帰還した軍人が実際の体の負傷だけでなくPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされるケースがとっても多いとのこと。
いやあ、当たり前です。
もしも喜んで戦争に行って、人をバンバン殺してたら、逆に病気だわ。
でも、すべての悪の根源は「戦争」。
こんなもの世界からなくなってしまえばいい。

確かにスナイパーゲームは面白い。
でもそれはゲームの中だけ。
何度もリセットしてやり直しがきくからね。
命はリセットできません。

この映画でちょっと面白かったのが、クリスが結構頻繁に電話していること。

戦争中に電話すなー!!

いやあ、テクノロジーってすごい。
何処でも携帯が通じるんだね。
あと、赤ちゃんの偽物感が半端なかった
結構深刻なシーンなのに、急に現実に引き戻されたよ。
なぜ、ここだけ手抜き?

それと気になったのが、家で拳銃をロードしたままドアの上に置いたこと。
あれ、どうなったんだろうね?
もちろん、弾は入ってなかったんだろうね
まあ、どうでも良いことだけど、あんな風にどこでも拳銃を置いてはいけません!

この映画はアカデミー賞6部門ノミネートされましたが、最終的には音響編集賞にとどまりました。
アカデミー賞は戦争物好きだから受賞するかなぁと思ってたけど。

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
私は何度も言っているけれど、戦争映画キライです。
だって、結末はいつも一緒。
だれも幸せにならない
ただ、戦争の無意味さを知るいい映画ではあります。


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電話ww

私もそう思いました。
でも、あんな平常心で話した直後に射殺できたりするってことが
いまどきの戦争なのかな。
本当にゲームのようで現実性に乏しい。
私も戦争映画嫌いだし、特にアウシュビッツものは無理。
シンドラーのリストさえなんだか見れなかった。

アカデミーの作品賞候補になったものってまだこれと
「博士と彼女のセオリー」しか見てないけど
博士役の人の主演男優賞は納得の演技でしたよ。

ロシアって未だに政敵の暗殺とかやってるような国なんだから
やっぱり資本主義の国とは違うのかな。怖い怖い。
スペイン語クラスの素敵なロシア人さんとはお話できました??

ガガ様は小さいのね。
花魁みたいなぽっくりとかはいてるから実身長がわかりにくいww
ガガ彼の出てるドラマも見てみたいな。
とにかく彼女が幸せそうでなにより。

すみません、書きなおしましたw

Re: 電話ww

コメントありがとうございます!
やっぱり尋常じゃない精神状態ですよね・・・。

お!私はまだ「博士と彼女のセオリー」見てないので、楽しみにしてます!

そういえば、クラスのロシア人の人と話しました~!
彼としては「個人的には全然気にしてない」と言ってましたよ。
そういうステレオタイプなイメージがあるのは、しょうがないし、ロシア人の英語の話し方がそういうイメージを持たせちゃうのかも?と言ってました。
でも彼としてはマフィア=イタリアの方がイメージ強いから、お互い様と笑ってました!
気を悪くしてなくてよかった、とほっとしちゃった!
いい人です。

私もガガ様のマネをして二の腕を細くしようと頑張った時期があったけど、これ、かなり大変なトレーニングです!
最近のガガ様はあんまり容姿にはこだ割ってないような気がするけど、まあ、それもガガ様らしいですね!
Born This Way以来パッとしない、と巷でささやかれているガガ様・・・頑張ってほしい!

こんにちは

すみません!ずーーーっと、ブログタイトルから、ロコ様と言ってしまっていました。ロココ様でしたね、ゴメンなさい!今日はジャーリーズ様のスノー・ホワイト氷の王国を拝みに行ってきます。

アメリカン・スナイパーは、どんな大義があろうと戦争は、政府が市民に人殺しさせる大量殺戮犯罪だと思っていますので、悶々の思いで観ました。
でも、私がそういうことを言うと、軍人の大変さを考えろ、みたいな非難をされ、世間が怖かったです。
尊敬するマイケル・ムーアがこの映画に厳しい政治的意見を言っていて、すっきりしたことがあります。
マイケルの映画も日本では今日から公開されるので近々観に行きます。

Re: こんにちは

びー様、

コメントありがとうございます!

> すみません!ずーーーっと、ブログタイトルから、ロコ様と言ってしまっていました。ロココ様でしたね、ゴメンなさい!今日はジャーリーズ様のスノー・ホワイト氷の王国を拝みに行ってきます。

いえいえ、いいのですよ~!
タイトルは都合上省略しているのですが、どっちでもいいです。
スタバとかでは「ロコ」と言ってますので(^^)/
は!スノー・ホワイト新作がありましたね!
うーん、最近ちょっと忙しすぎて、劇場には見に行けないかも・・・アメリカって映画館の回転が速くて、すぐに終わっちゃうんですよね・・・(涙)

>
> アメリカン・スナイパーは、どんな大義があろうと戦争は、政府が市民に人殺しさせる大量殺戮犯罪だと思っていますので、悶々の思いで観ました。
> でも、私がそういうことを言うと、軍人の大変さを考えろ、みたいな非難をされ、世間が怖かったです。

え!そんな恐ろしいことが?!?
ブログにも書きましたが、監督は決して戦争賛美や軍人賛美のためにこの映画を描いたのではなく、むしろ、逆のような気がします。
ただ、受け取り手がどう感じるかはその人次第ですけど・・・。

> 尊敬するマイケル・ムーアがこの映画に厳しい政治的意見を言っていて、すっきりしたことがあります。
> マイケルの映画も日本では今日から公開されるので近々観に行きます。

マイケル・ムーアが好きとは?!
「スーパーサイズミー」くらいしか・・・(^-^;
私はどちらかというと、エンターテイメント映画ばっかりでドキュメンタリーは見ていないので、勉強しないと!

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