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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014)BIRDMAN or (The Unexpected Virtue of Ignorance) 352本目

結末を視聴者にぶん投げる映画 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

出演:
リーガン・トムソン役 マイケル・キートン
マイク・シャイナー役 エドワード・ノートン
サマンサ(サム)・トムソン役 エマ・ストーン
レズリー・トルーマン役 ナオミ・ワッツ

監督:
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
お勧め度★★★☆☆

去年のアカデミー賞を見てた時、マイケル・キートンをみてうちのBossが「あー!懐かしいなぁ!バットマンの人だぁ!」と言った。
私は彼のバットマンを全然覚えてなかったから、(やっぱりクリスチャンベールのイメージ?いや、そもそもバットマンの映画自体、この前のジャスティスリーグ以外そんなに覚えていない・・・)そんなに共感できなかったから、「へー、そう?」って感じだったけど。
タイトルも「バードマン」ってちょっと似てない?
作品賞を受賞したこの作品、やっぱり気になっていて、やっと見ました!

リーガン・トムソンは昔「バードマン」という映画でスターになった俳優。
でも今は落ち目。
俳優としての再起をかけてブロードウェイ進出をする。
でも、すべてに納得がいっていない。
そんな彼がバードマンの影を背負いながら舞台に挑戦した先には・・・。

ドラマと思ったらSFだった?!?

最初からそう思った人、いるはず。
でもまあ、そうではありませんでした。
ラリッっているわけでもないのに、リーガンの妄想とか幻想とか希望とか絶望とか願望とかが入り組んでいてちょっとわかりずらい。
だからこそ、「これ、何?」と考えさせられる映画。
それで何度か見てしまった。
特に結末に関してはいくつもの「可能性」を考えさせられるもので、私としてはモヤーっとした。
結局始終映画の中で「なにこれ?」と思う事に対しての説明は全くなく、「どうぞ、見た方がそれぞれに答えを出してください」というカタチ。

いやー、それモヤっとするし!!

しかもバッドにもグッドにも両方の可能性を示唆しているから余計悪い。
意味深なテレビ中継のシーンがあるのだけれど、いったいテレビの中で何が語られているか、一生懸命聞き取ろうとしたけれど、肝心なところが聞き取れず、画面のニュースのタイトルも丁度見えなくなっていて、本当にいろいろ想像させてくれる。

実はこの映画、最初はさらにもっとぶっ飛んだ結末が作られていたそう。
監督は映画を撮影している間に自分が考えた最初の映画の結末が"piece of sxxt"であると気が付いて変更したとか。
しかも彼はあまりにも出来が悪い結末なので、語りたくないとまで言った。
どうやらジョニー・デップが出演してきて、「パイレーツオブカリビアン5」を作成するようなパロディーで無限ループを思わせるような結末だったらしい・・・。
結局はジョニー・デップもおさえられなかったし、もちろんパイレーツオブカリビアンの権利もダメだったし、そもそも監督として、こんなエンディングにはできない!となったから、幻となりましたが。
でも、今となっては結局どっちでもよかったような・・・。
それほどまでにモヤっとしている。

正直結末の衝撃が強すぎて途中がどうでも良い事のようにさえ思えてしまう。
でも、やっぱり途中のリーガンの危うく、狂気的で苦悩している姿をみることで、エンディングが生きてくるんだろうけど。
とにかくハラハラなシーンが多くて目が離せなかった。
結末を予想しながら見ていて、それをことごとく裏切られるこの感じ。
それはそれで面白いけど。

途中に登場する映画評論家のキャラクターも、なんだか評論家批評なのか、いろんなメッセージを感じ取れる。

映画の中で登場する"Truth or dare?"の遊び。
よく若い子が飲み会とかでやるよね
、"truth"(真実を言う)か、"dare"(挑戦)かを選んで、選んだ人は必ずそれをやらなければならない。
大抵truthの場合は秘密を明かしたり、dareの場合は難しいことややりにくいことに挑戦させたりする、ちょっと意地悪な遊び。
これを大人っていうかおじさん相手にやっちゃうサム。
彼女の精神的に成長していない感じがわかる。
同時に私が好きなシーンはそのサムがトイレットペーパーにダッシュを永遠に書き続けている。
一見すると狂気的に見えるけど、サムが麻薬中毒からのリハビリ中にやらされていた作業で、そのトイレットペーパの切れ端を父親に見せて"This is how long humans have been here"と言う。
この作業は"trying to remind us that that's all our ego and self-obsession are worth"だとか。
小さなエピソードだけど、この話を父親にするサムの姿も、その意味も、何か示唆的な気がしてならなかった。

多くの有名俳優が出演しているこの映画、主役のリーガン役マイケル・キートン。
Michael_Keaton_by_Gage_Skidmore.jpg
マイケル・キートン自身はこの映画のキャラクターを「あくまで映画の中のキャラクター、自分とは一切関係ない」と言っていたけど、それにしても、やっぱり「バットマン」と「バードマン」との関係性を否定できない。
配役だってそういうこと、ちょっとは意識しただろうし・・・。
そして確かに一時期ちょっと露出が少ない時期があった。
でも、実はコンスタントに映画に出演しており(声の出演も含む)、別に落ち目の俳優ってわけでもなかったらしい。
それでも、この映画は彼でなければダメだったんだろうと思う。
彼が何と言おうと、やっぱりマイケル・キートン自身の人生とリンクして映画がさらに面白くなるという、ちょっとずるい。

そしてこの意味深なサブタイトル「あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」。
正直、これがダイレクトになにを表しているか、映画のどの部分を表しているか"Vertue"とは奇跡なのか?とかいろいろあるけれど、どちらにせよ、ポジティブな表現と受け取っている。
もちろん、それと映画の結末の解釈とは別なのかもしれないけれど。
とにかくこういうRPGのお約束みたいないくつもあるエンディングはあんまり好きじゃない。
受け取り方は様々でいいと思うけど、監督の意図したことは知りたい。

この映画に登場する趣深いバー"The Rum House"。
(ホームページはこちら)
実際には舞台となっているセント・ジェームズ・シアターからかなり離れているのだけれど、すごく近いように演出してあります。
ラムハウスっていうくらいだから、ラムのカクテルとかが美味しいんだろうねぇ
でも雰囲気ありすぎて、初心者は入りずらそうだけど、一度は行ってみたい!

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
まあ、そんな感じで私にとってはモヤっとしましたが、いろいろな可能性を妄想してみるのが面白いこの映画。
あとは、映画好きとあーでもない、こーでもないって語り合うのが楽しそうな映画。


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