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わたしに会うまでの1600キロ (2014) WILD 355本目

人生を変えるハイク わたしに会うまでの1600キロ(WILD)

出演:
シェリル・ストレイド役 リース・ウィザースプーン
バーバラ・”ボビー”・グレイ役 ローラ・ダーン
エイミー役 ギャビー・ホフマン
ポール役 トーマス・サドスキー

監督:
ジャン=マルク・ヴァレ
お勧め度★★★★☆

ちょっと前まで夢中になっていたウォーキング。
毎日2時間以上歩いていた。
音楽を聴くとか、そういうことではなく、何が良かったのかわからないけれど、とにかくいろんな音や匂いを感じながら延々と歩く。
夜には地図を見て、次はどこを歩こうかなぁなんて考える。
歩かない日はムズムズしてしょうがなかった。
でも、やっぱり何事もやり過ぎはいけない、ということで、ペースを落として1週間に2、3日にするようにした。そして先日、アメリカでは結構人気なんだけれど、観光地としてはマイナーな「セコイヤ」へ。
ここには「世界一大きな木」というのがある。
いや、それ以外もドデカイ木ばかりなんだけど。
そしてセコイヤの公園に入る手前にある知る人ぞ知るというハイキングコースへ。
今まで8マイルくらいは休みなしで歩いていたけれど、今回は10マイル以上!
ちょっと不安だったけれど、やはり毎日歩いていたせいか、体力がついたみたいで、ちゃんと行けた。
いつもなら手を引いてもらって歩く私が、先頭を歩いている!
うちのBossもびっくりしていた。
そんなハイク女子は絶対見ないといけない映画!

1995年、シェリル・ストレイドが3カ月にわたって歩いたパシフィック・クレスト・トレイルの記録。

冒頭、シェリルがブーツを谷底に落とし、その後もう片方のブーツも投げつけて叫ぶ。

すでにこの時点で号泣

シェリル演じるリース・ウィザースプーンの叫び声が苦しくて切なくて胸を刺した。
もちろん筋は全然知らないで見たのだけれど、このシーンだけで彼女がなぜPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)を歩かなければならなかったのか、とても知りたくなった。
この映画はトレイルを歩く彼女の現在と彼女の過去の回想でできた映画。
回想シーンは最初音がない断片的な記憶から、ストーリーに代わり、PCTを歩く理由を教えてくれる。
時々時間軸がわかりずらいところもあるけれど、最終的にはとっても納得のいくストーリー展開になっていて、とにかくいろんなシーンでジーンときた。

この映画はシェリル・ストレイドの自伝的小説『Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail』が元になっています。

この小説はもちろん匿名などを使用していますが、エピソード自体はすべて真実だとか。
ただ、映画は事実と異なるところもある。

例えば、
映画では弟しかいないように描かれているけれど、シェリルにはお姉さんもいます。
元旦那の名前はポールではない(小説でも名前はポールと実際とは変えてある)。
シェリルのお母さんはシングルマザーのように描かれているけれど、実際は再婚しています。
トレイルを歩く最初の日にポールに電話していますが、実際はしていない。
その他細かいところで事実と異なるところがありますが、重要なエピソードはほとんど事実。
その事がこの映画を見てショックを受ける。
そして、彼女の事を応援したくなる。

やっぱりこの映画を面白いと感じるのは、シェリルと自分を重ねて見るからだろうと思う。
私はかなりシェリルに感情移入してしまったよ

さて、この映画に登場するアウトドアストア"REI"。
アメリカで一番の売れ時であるセンクスギビングホリデー時に、社員やお客様にショッピングよりもアウトドアをして欲しいという願いを込めて、この日に店を閉めるという衝撃的なことを始めた会社です。
そしてこのお店の自慢、"100% satisfaction guarantee"のポリシーは映画でも登場するように、足に合わない靴を交換、お届けしてくれるというサービス。
ただ、靴を谷底に投げてしまった場合、お店側は「事情による」といってます。
当たり前!交換する前に靴を投げてはいけません。
そして、この投げ捨てた靴、クリス・ケスティングというハイカーが実際にトレイルの谷で発見!!
実はクリス、映画を見てだいたいの場所の検討が付いたらしく、探しに行ったら本当にあった!
凄いね、っていうか、こういうの、回収しないんだね。
っていうか本来は回収しないといけないらしいけれど、全然見つからなかったから誰かが拾ったと思ったらしい。
でも、実はそのまま谷底に落ちていた!
どうやらこの靴はダナーというポートランドのメーカの特注品だったらしいので、すぐにわかったみたい。

この映画で、トレイルのポイントの入り口にあるノートにいろんな引用をするシェリル。
この引用の選択も素敵

"If your Nerve deny you, Go above your Nerve" By Emily Dickinson
"Will you take me as I am? Will you?" By Joni Mitchell (California)
"Even a child with normal feet was in love with the world after he had got a new pair of shoes." By Flannery O'Connor
"But I have promises to keep, and miles to go before I sleep." By Robert Frost (Everything That Rises Must Converge: Stories)
"We are never prepared for what we expect." By James A. Michener (Caravans)

そして映画の中に出て来るErica Jongの小説"Fear of Flying"。

"Zipless Fxxk"とはエリカが作った造語といわれています。
このシーン、お母さんが楽しそうに語るのがなんだかジーンとくる。

そして私の好きなシーンは弟とベッドに入って神様にお祈りするシーン。
神様なんて全然信じていないのに、「困ったときの神頼み」はする。
この辺りもとても共感できて、温かいシーン。
だけどやっぱり神様はいないと絶望するシーンでもある。

旅の途中、どうにも無礼なインタビュアーに出会うシェリル。
ここで彼女は"HOBO"と間違われる。
ホーボーとは、「仕事を探しながら列車に乗って各地を転々と旅する人たち」を意味するらしいのですが、現在では旅をしながら仕事をする、みたいな感じでしょうか?
ホームレスであることには変わらないけれど、仕事をしながら移動しているというところが、道端のホームレスとは違う。
ハイカーなのにホーボーに間違われた彼女。
実は実際にこのインタビュアーには出会ったらしい!でも、記事がどこに載ったのか、それとも載らなかったのかは結局わからなかった。
「ホーボーパッケージ」もちゃんともらっています。(ビールつき!)
この「ホーボー」という言葉、日本語が由来という話もあるけど・・・ホント?

この映画で主役のシェリル役の リース・ウィザースプーン。
Reese_Witherspoon_at_TIFF_2014.jpg
「キューティーブロンド」で有名な彼女。
この映画のせいでコメディーのイメージが強いけれど、最近は明るくて激しい役ではなく、落ち着いた女性の役に挑戦している。
まあ、そりゃあそうだよね。
もう大人の女性だし。
見方によってブスに見えたり美人に見えたりする不思議な人。
でも、この映画ではほとんどノーメーク。
それでもとても美しいです。
本当に強くて美しい。
この映画で改めて彼女の演技と魅力が見直されたと言われています。

彼女の過去が明かされていくたびに衝撃が走るこの映画。
でも、強い意志と目的があるからこそ、このものすごい距離をたった一人で歩くと決めた。
ハイキングって一人ではしてはいけません!って言われてるけどね・・・。
アメリカって本当に広いから、遭難しても全然見つけられない気がして怖い・・・。
先日のハイクから帰ってくるとき、雲行きが怪しくなって遠くで雷の音が聞こえてた。
周りには誰もいなくて、1人だったらかなり怖いなぁって思ったよ・・・
確かに自分のペースで自分と向き合って歩くには一人がいいけど、さすがにワイルドなトレイルの一人歩きは無理だなぁ・・・。
なので、映画で歩いた気分になるのがオススメ!

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
ハイクの映画といっても、どちらかというと人生の映画。
女性には是非見てほしい映画です。


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