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王様のためのホログラム (2017) A HOLOGRAM FOR THE KING 450本目

海外在住あるある満載! 王様のためのホログラム (A HOLOGRAM FOR THE KING)

出演:
アラン・クレイ役 トム・ハンクス
ユセフ役 アレクサンダー・ブラック
ザーラ・ハキム役 サリタ・チョウドリー

監督:
トム・ティクヴァ
お勧め度★★★★☆

海外に住んでいると、日本ではあたりまえ!ってことが全然当たり前じゃない。
このブログでも数々の愚痴を書いてきましたが
それでも時々「アメリカ最高、一生住みたい」って言っている人がいて、驚きます。
でも、たいていそういう人は短期間しか住んだことがない人や、アメリカで仕事をした事がない人や、家族がいない人。
アメリカ好きだけれど、一生は住まなくていいなぁ、たまに旅行に行く程度でいい。
やっぱり長く住めば住むほど、そういう風に思うようになる人が多いみたい。
別に日本最高!っていう訳じゃないけれど、まだ私にとって一生住みたい!っていう場所は見つかってません。
そういう海外暮らしをした事がある人はきっと共感する映画。

大手自動車メーカーの取締役だったアラン・クレイ。
仕事を失い、家族を失い、新しい仕事はIT関係。
サウジアラビアへホログラムを売り込む仕事だった。
アメリカとは全く勝手が違う異国で奮闘するアラン!

この映画はデイヴ・エガーズの小説が原作です。
デイヴ・エガーズといえば、ベストセラー作家。
面白くないわけないよね。

でも、この映画はなにか大きな事件やドラマが起こるかと思うと、実際そうでもない
だから見る人によっては「いったい何の映画だったんだろう」って思う。
売り込むはずのホログラムについてもほとんど説明がないし、アランの物凄い営業手腕でアラブの王様に売り込むストーリーかと思いきや、そうでもない。
だけど、海外で暮らしたことがある人や仕事をした事がある人はきっと経験したであろうカルチャーショックが静かに描かれていて、

うんうん、あるある、わかるよ!

ってなる。
そこが面白い。

アランはアメリカ人で、サウジアラビアの人達が一斉にお祈りすることや、オフィスがテントな事や、wifiが弱すぎることや、居留守を使われることに対して結構なカルチャーショックを感じるんだけれど、

日本人にとってアメリカも同じくらいショックな事あるよ

って言ってやりたくなった。
食事の前にお祈りすることや、クリスチャンの人達の押しの強い感じも最初はショックだったし。
私の最初のオフィスは倉庫の中だったし。
Wifiが全然使えないホテルに泊まったことも何度もあるし。
家のWifiも急に使えなくなることがしょっちゅうあったし、ネットの会社に電話しても全然繋がらない、または繋がっても修理までに何週間もかかったり。
平気でいろんなウソをつかれたり(というか、いい加減な事ばっかり言う)。
とにかく、いろんなカルチャーショックありましたわ

アランはなんだか体調が優れなくて、何か大きな病気かなぁって思うんだけど、実はパニック障害だった。
なーんだ、そんなことか、と思うかもしれませんが、実はこういう人、多いのです。
海外に来てパニック障害を発症する人。
実際に私の身近にもいました。
特にストレスに弱いとも思えない、能天気な人でしたが、それでもなったんだから、海外に暮らすという事は一筋縄ではいかないということだね

この映画にはリアルとフェイクが織り交ぜてあって、それがまたリアリティーを生み出しているんだと思う。
例えばアランが出張しているKMET。
実際にはKAEC(King Abdullah Economic City)のことのようです。
でも、サウジではもちろん撮影できず、ほとんどの撮影をモロッコで行いました。
ちょっと大げさに表現しているような感じもしますが、外国人からみたらサウジの人々も含め、異様な感じなんでしょうね。

そしてアランが取締役だったというシュウィン自転車。
これ、実際にある、(あった)自転車の会社です。
しかも、2001年にパシフィックサイクルに買収されています。
映画では中国、と言っていますが、実際には台湾の自転車会社です。
シカゴの歴史ある自転車会社だから、アメリカ人がシュウィンと聞けば買収された歴史も含めすぐにイメージできるのかも。

この映画は本当に大きなイベントは特にありません。
ちょっと刺激がなさすぎるので、女医のハキム医師が登場したりして、スパイスになっているのだけれど、正直私はこのエピソードは特にいらなかったよなぁと思う。
なんとなく、なぜこの2人?って感じ。
でもこれが異国マジックってやつなのかもしれないけど。
日本で会ってたら絶対付き合わない者同士が海外で会って惹かれあったりしちゃうの

主役のアラン役のトム・ハンクス。
360px-Tom_Hanks_2016.jpg
安定のトム。
大した映画じゃないのに、何か面白い事が起こるような気がする。
でも、実際にはそんなに大したドラマが起こらない映画に結構出演していて、彼の雰囲気がとても良くて映画が面白くなるケースが結構ある。
この映画もその一つ。

この映画、面白かった!と共感する人がいたら、教えてくださいな。
鑑賞後にとても気持ちよくなる映画です。
やたら天気がいいからなのか?
でもよく考えると、凄い事はなにも起こっていないという不思議な映画。

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